みなさんこんにちは。[息子はゼロ歳の株主] ゼロ株ママです。
突然ですが、皆さんが住んでいる日本は世界屈指の貯金大国です。
そんな貯金があなたを不幸にするかもしれない―
この記事では、お金には消費と貯金以外の選択肢があるということを伝えていきたいです。
貯金のメリット・デメリット
貯金のメリット
私が考える貯金のメリットはこちら
- 銀行から引き出して、すぐ使える
- 価格が変動しないのでわかりやすい
- 減らない
現金のメリットは何と言ってもすぐ使えるところ!
ATMに行っておろせばすぐに使えますし、銀行に入れておけば電子決済やクレジットカード決済にも使えます。
貯金のデメリット
- 使ったら減る
- 銀行がつぶれたら、1つの金融機関につき1000万円までしか保証してくれない
- 増えない=インフレに対応できない
私が思う最大のデメリットは増えないことです。
いくら貯金を貯めても、たくさん使えばいつかなくなります。
増えないことが何故デメリットに成り得るのか
物価が上昇(インフレが起こる)と、同じ値段で同じものが買えなくなります。
インフレとは?
モノの値段が上がること。または「お金の価値が下がる」こと
物価上昇の例として、1950から20年ごとにモノの値段の推移を見ていきましょう。
年 | 食パン 1kg | 牛乳(配達) | ビール1パック |
1950 | 45.4円 | 11.9円 | 130円 |
1970 | 116円 | 25円 | 140円 |
1990 | 386円 | 65円 | 317円 |
2010 | 438円 | 114円 | 1211円 |
総務省統計局「主要品目の東京都区部小売価格(昭和25年~平成22年)」より
1990年はバブルのピークで経済も今より潤っていましたが、20年後の方が物価は高いことが分かります。

同じ金額を保有していても、将来同じものが買えるわけではないことがわかっていただけたでしょうか?

何故日本人は貯金が大好きなのか
日本は世界屈指の貯金大国
2021年8月20日に日本銀行調査統計局が発表した「資金循環の日米欧比較」の表を見てみましょう。
日本は①現金・預金と②保険・年金・定形保証でなんと82%も占めているんです。
アメリカは①と②を足しても42%のみ。特に現金・預金割合が13%と低いですね。
アメリカでは資産運用は当たり前。
株式と投資信託だけで約半分を占めます。
私はアメリカで育ちましたが、同年代で全く「現金しか持っていない!」なんて友達はいません。
月10万円を貯金するAさん、投資するBさんの違いをシミュレーション
それでは何故アメリカでは皆積極的に資産運用をしているのか考えてみましょう。
ここでは月10万円を貯金するAさんと、株式などに投資するBさんを比べていきます。
10年後のシミュレーション
Aさん | 月10万円 × 12ヶ月 × 10年間 | 1200万円 |
Bさん | 月10万円 × 年利5%で運用 × 10年間 | 1553万円 |
(金融庁の資産運用シミュレーションより)
AさんとBさんは同じ金額を捻出し、同じ期間を過ごしました。
それなのに、2人には353万円の差がつくんです。
もちろん運用期間や投資額が大きければもっと差はつくので、早くから運用を始めれば始めるほど有利になります。
投資に対してネガティブな印象を持つ人が多いのはどうしてか
ゼロ株ママが思う理由は4つあります。
- 汗水流して稼ぐのが美徳という文化
- 親世代のなごりで「お金は銀行」というイメージが強い
- 学校も親も教えてくれない
- 投資と投機を間違えている
それでは一つずつ掘り下げていきましょう。
理由① 汗水流して稼ぐのが美徳という文化
日本で働く帰国子女として思うのが、毎日残業したり休日出勤することが立派であると考える人、多くないでしょうか?


もちろん家族の為に頑張って働いていることは分かるのですが、きっと妻や子供はパパに早く帰ってきてほしい筈。
アメリカでは、いかにプライベートを大切にしながら働くかを重視している人が多いです。
その為には、仕事以外でお金を増やす方法を知っておかなければいけません。
それが資産運用なんですね。
別に労働した対価であろうが、資産運用で増やしたお金であろうが結果は同じ。
両方と上手に付き合っていけば「我慢して働かないと!」というマインドから少し解放されるんです。
理由② 親世代のなごりで「お金は銀行」というイメージが強い
1980年後半から1990年にかけては、銀行に預けているだけでお金が増える時代でした。
今では考えられない年利5~6%。
年利6%あれば、なんと約12年でお金が倍になります。

親世代はどうしても「お金は銀行に預ける」という感覚が残っているんですよね。
しかも、バブルを経験した方々は今より給料水準もよく、リスクをとって資産運用をしなくてもお金に困らないのかもしれません。
理由③ 学校も親も教えてくれない
学校の授業で資産運用について学びましたか?
私はアメリカの高校に通った為、Economics(経済)の授業を受けました。
もうあまり覚えていませんが、資産運用の種類や株式会社の仕組みなどを学んだと思います。
学校じゃ教えてくれない。親も資産運用をしていない。
自発的に勉強しなければ一生知らない世界なのかもしれませんね。
ただし、来年の4月から高校生たちは資産形成について学ぶようになります。
株式や債券、投資信託など基本的な金融商品の特徴も教わるそうですよ。
アメリカの高校では資産運用について勉強する。
日本の高校も2022年4月から家庭科で「資産形成」の視点について学ぶことになった。
これから投資は授業で教わるくらい一般常識になっていきます。
親として、大人として、「知らない」ではすませたくないですね。
理由④ 投資と投機を間違えている
「株ってギャンブルなのでは?」と勘違いしている人が多いのは、投資と投機を一緒にしているからです。
投資と投機について詳しく考えてみましょう。
株で何百万円借金した人の話のカラクリ
株で失敗したら破産してしまうの?
結論:普通に運用するだけで破産はしません
株に限らず、金融商品は価格が変動します。
なのでもちろん、買ったときより価格が下がれば損する可能性はあります。
ただし、自分が証券口座へ振り込んだお金で売買すれば、それ以上お金が減ることはないんです。
「10万円なら多少減っても良いかな?」という金額で始めれば破産する可能性はゼロです。

信用取引(レバレッジ)を使うと、持っているお金以上の取引ができる
信用取引とは?(レバレッジ)
保証金を証券会社に預けることで、3.3倍までのお金を借りられる
100万円持っている人が10%増やすと、お金が10万円分増えます。
もっと大きく儲けたい!と思う人は、100万円を元手に証券会社から330万円借りられるんです。
そうすると、330万円を10%増やして33万円儲かる!と考えるんですね。


もちろんお金は返さないといけないので、期限までに返せない人が破産するという仕組みです。
投資と投機の違い
短い期間で大きく稼ごうとするのは投機(ギャンブル)
1000万円をいますぐ倍にしたい!とレバレッジをかけて、値動きの激しい株に突っ込むと、それは投資ではなく投機になります。
投資とは、将来有望だと感じるものに長い期間をかけて資金を投じること。
「株はギャンブルみたいで嫌だ」と思っている人は、投資の本質を勘違いしているんです。


本来資産運用は「投資」であるべき
例えば株なら、「この会社を応援する為に出資しよう」というのが本質です。
そのお礼として、会社が儲かれば配当金や株主優待がもらえたりします。
貯金一択の人は銀行にお金を貸している状態。
その見返りは数十円の利息です。
銀行以外の場所にも預けられるところがあるということを理解しておくことはとても大事ですね。
理解した上で、投資をするかしないかは本人の自由
投資するもしないもその人の選択
貯金も投資もそれぞれメリット・デメリットがあります。
どうするのが正しい、正しくないかは人それぞれなので、全て理解した上で選択することが大切です。
全く貯金がない人はある程度生活費を貯めることが第一でしょうし、余裕資金で何か金融商品を買ってみたい人も、それぞれのリスクを理解した上で買ってみると良いと思います。
この記事で伝えたいことは、「お金を増やす方法は貯金するだけじゃない」ということ。
そして「実は貯金にはデメリットがある」ということも理解していただけたら嬉しいです。

奥さん・旦那さんがもし資産運用に興味を示していたとしたら、「そんなのやめて!」と毛嫌いせず、
まずは一緒に勉強して資産形成について考えてみてくださいね。