みなさんこんにちは。[息子はゼロ歳の株主] ゼロ株ママです。
いきなりですが、皆さんは高校生の頃どんな小説を読みましたか?
ゼロ株ママは小中高の12年間をアメリカで過ごしたので、授業で数々の小説を読みました。

今回の記事では、アメリカの高校生が授業等で読む定番の小説の内、私が気に入っているものを紹介していきます。


50 Classics from (almost) everyone’s reading listのランキングTOP3
まずは、定番の50作品を紹介しているサイトがあったので、そちらのリンクを貼っておきます。
50 classics from (almost) everyone’s high school reading listーStacker
1,002名が投票した中でトップ3に入った名作をご紹介します。
1.To Kill a Mockingbird (Harper Lee) / アラバマ物語
1960年にアメリカの作家ハーパー・リーが書いた小説です。
人種差別をテーマとしており、差別用語が多数でてくる為論争を呼ぶ作品ではありますが、多くの高校で読まれています。
1961年度のピューリッツァー賞を受賞し、1962年に映画化されている有名な作品です。
アメリカ南部のアラバマ州で、黒人が白人女性への暴行容疑で裁判にかけられた話で、まわりの白人陪審員の偏見と人種差別を描いています。

2.Romeo and Juliet (William Shakespeare) / ロミオとジュリエット
言わずと知れたイングランドの劇作家、ウィリアム・シェイクスピアによる悲劇です。
有名な作品なので内容は割愛しますが、約500年前に書かれただけあって現代英語とは少し(かなり?)違います。
you areがthou artだったり、doがdostになったり、とにかく使われている言葉が違うこともあって意外と難しいです。
シェイクスピアの中では比較的読みやすい部類に入るかと思いますが、少し上級者向けかもしれません。

3.The Great Gatsby (F. Scott Fitzgerald) / 華麗なるギャツビー
2012年に映画化され、レオナルド・ディカプリオが主演を務めた為、知っている方も多いのではないでしょうか?
1920年代のアメリカを描いた作品で、ジェイ・ギャツビーという謎の大富豪の物語です。
第一次世界大戦後のアメリカは好景気だった為、アメリカン・ドリームを手に入れたギャッツビーのような大富豪も多かったようです。
どんなに富を手に入れても、一番手に入れたかったのは一人の女性の愛だったという切ない恋愛物語でした。
難易度的には比較的簡単ですし、予め映画を見て内容をおさらいしておくと読みやすいと思います。

SF小説のオススメ!ディストピアの代表傑作たち
サイエンスフィクション好きのゼロ株ママですが、その中でも読んでいてドキドキするディストピア小説が好きでした。
ディストピアとは?
ユートピア(理想郷)の対義語。
反理想郷や暗黒世界、またはそのような世界を描いた作品を指す言葉。
政府が市民を徹底的な管理し、人としての尊厳や人間性まで否定される作品のことを「ディストピア小説」と呼びます。
4.1984 (George Orwell) / 1984年
好きな小説ベスト3に入るのがこちらの1984年。
1949年にイギリスの作家ジョージ・オーウェルが近未来について書いたもので、政府による監視、検閲、権威主義を批判する際に引用されることも多い作品です。
この小説で描かれている全体主義的・管理主義的な社会や考え方を表す為に、「オーウェリアン(Orwellian、オーウェル的)」という形容詞が生まれた程社会に影響を与えました。
この小説の中では政府(”Big Brother”)が市民を常に監視し、屋内・屋外問わず町中にマイクが設置されています。
歴史の記録は常に政府の都合の良いように変えられていき、そんな歴史記録の改ざん作業を行う仕事をしている男性が主人公です。
トランプ政権発足後、急激に売り上げを伸ばしたことで話題になりました。

5.Fahrenheit 451 (Ray Bradbury) / 華氏451度
こちらもゼロ株ママの大好きなSF小説の一つ。
タイトルの華氏451度とは本(紙)が自然発火する温度であり、この物語では本を読んだり所持することが禁じられた社会が描かれています。
情報は全てテレビやラジオによる画像や音声ばかりで、漫画以外の本は全て「ファイアマン」が燃やしてしまいます。
本を持っている人は捕まり、お互いが密告しあう相互監視の世界なので、少し1984年と似ている部分があると思います。
本を読まなくなった結果、思考力・記憶力がなく、数年前のできごとさえうろ覚えの人ばかり。
主人公は真面目なファイアマンでしたが、新しい隣人の少女に出会って社会に疑問を持ち始めます。
作者は2007年のインタビューで「テレビによる文化の破壊を描いた」と述べていたそうです。(a story about how television destroys interest in reading literature)

6.Brave New World (Aldous Huxley) / すばらしい新世界
1932年にイギリスの作家が書いた作品で、4冊目の1984年と一緒にディストピアの傑作として挙げられることが多いです
この世界では、人間は生まれる前から階級が定められており、それによって体格・知能が決まります。
人間は工場で製造される為、家族という概念はなく、結婚も出産もしません。
基本的に皆はハッピーですが、たまに嫌なことがあると「ソーマ」という麻薬で楽しい気分になります。
貧困も戦争も病気もなく、一見ユートピアのように見える社会の中で過ごす主人公が、外の世界の青年と出会って物語が始まります。

その他のオススメ
長くなってしまうので、ここからはいくつかオススメ作品をご紹介して終わりにしますね。
Inferno (Dante Alighieri) / 神曲ー地獄篇
ダ・ヴィンチ・コードで一躍有名になったダン・ブラウンが書いたインフェルノが2016年に映画化された為、聞いたことがある方もいるかもしれません。
こちらのインフェルノは14世紀頃に書かれたイタリア文学最大の古典「神曲」の一部です。
地獄篇、煉獄篇、天国篇から成る内の「時獄篇」がインフェルノ。
暗い森の中に迷い込んだ主人公(かつ作者)のダンテが詩人ウェルギリウスに案内されながら地獄の底まで降りていく物語です。
死んだ罪人たちが地獄で罰を受ける姿が描かれており、最も罪の重い「裏切り」を行った者は最下層で氷漬けになっています。
キリストを裏切ったユダ、シーザー(カエサル)を裏切ったブルータスとカッシウスの3人がサタンに嚙み締められながら凍っているというカオスな状態でした。
罰がなかなか重くグロテスクなので、悪夢にうなされそうだなと思いながら読み切りましたが、一度も夢にはでてきませんでした。

その他
ちょっと長くなりすぎるので、この記事では一旦これくらいにしておきます。
他にも良い本がたくさんあるので、一旦箇条書きで残しておいてまたの機会に紹介させてください。
- Scarlet Letter (Nathaniel Hawthorne) /緋文字
- One Flew Over the Cuckoo’s Nest (Ken Kesey) / カッコーの巣の上で
- Wuthering Heights (Emily Brontë) / 嵐が丘
- The Canterbury Tales (Geoffrey Chaucer) / カンタベリー物語 *難
- Catcher in the rye (J.D. Salinger) / ライ麦畑でつかまえて
- Animal Farm (George Orwell) / 動物農場
- Adventures of Huckleberry Finn (Mark Twain) /ハックルベリー・フィンの冒険
- A Tale of Two Cities (Charles Dickens) / 二都物語
- The diary of a young girl (Anne Frank) / アンネの日記
- その他Great expectations、Crime and punishment、Pride and prejudice、The Bell jar
中学で読んだ本もあるので難易度はバラバラですが、カンタベリー物語は近代英語ではないのでダントツ難しいです。
授業で読んだものの、一人で読んだらちゃんと理解できていなかったと思います・・。

英語に自信がある人は是非読んでみて!
現地の中学生・高校生レベルの作品ばかりなので、是非読んでみてください。
どれもアメリカの高校生なら絶対知っている有名な作品ばかりです。
「問題なく読めるよ」という人は、現地の高校に行っても問題なく授業についていけると思います!
ちなみにレベルの参考になるかは分かりませんが、高校3年生で勉強せずに受けたTOEICは950点でした。
現地の小中高に通った私でも難しいなと思った本もあるので、時間ができたら難易度別に分けていきたいです。
教養が身につくものばかりですし、英語で読むのはちょっと・・・という方は日本語版を是非読んでみてください。
