みなさんこんにちは。[息子はゼロ歳の株主] ゼロ株ママです。
小学校から高校までの12年間アメリカの現地校に通った帰国子女の私が、TOEIC高得点を目指す方に伝えたいことをまとめました。
アメリカの高校を卒業後、大学で感じた日本人の英語力
半年早く高校を卒業し、日本の大学へ入学
小中高はアメリカの現地校に通っていたゼロ株ママ。
日本の大学の入学時期は4月ですが、アメリカの高校の卒業式は5月末。
アメリカの高校を通常通り5月に卒業すると、日本の大学の入学式に間に合いません。
帰国子女の私には、この時点で選択肢は2つ。
- 通常通り5月末に卒業し、次年度の4月に入学する
- 半年分の単位を取得し、前期が終了する12月に卒業する
アメリカの高校は4学期あり、1~2学期を前期・3~4学期を後期に分けることができます。
2学期終了時点で、卒業時に必要な各科目ごとの単位を取得できれば、半年早く卒業することが可能。
せっかくなら同い年の生徒と大学に通いたいと思いましたが、単位が少し足りません。
高校最後の夏休みに近くの短期大学で単位を取得し、半年早く卒業しました。
高校では教えていない授業を選ばないといけなかったので、哲学のコースを選択。

他の学生の印象:英語エリートばかり
英単語はよく知ってるし、文法などの基礎もしっかりしている
他の学生は、高校や地域でトップクラスの英語の成績を持つ子ばかり。
当然、少し前まで高校生だったとは思えない程の知識量でした。
小さい頃からアメリカにいるせいで、和訳が全然できないゼロ株ママ。
何故皆そんなに瞬時に日本語に変換できるのだろう・・・と感動したのを覚えています。
会話の授業で私は「ハズレ枠」
大学1年生の授業は受け身の授業が多く、英語のテキストを読んで和訳することが多かったように感じました。
もちろん「会話」の授業もあります。
会話の授業なので、2人1組やグループでディスカッションをすることも。
そこで一つ気付いたことがありました。

他の子と一緒の時はもっと話が膨らんでいるんです。
まだ入学して数日なので、仲が良い・良くないの話ではない筈。
そしてある日、私とパートナーだった子が別の子と話しているのを聞いてしまいました。


英語に自信を持ってきた彼らからすると、大学に入って突然現れた帰国子女に緊張したのでしょうか。
確かに、クラスで帰国子女は私一人。
もちろん相手を馬鹿にするような言動はしていませんし、先生と同じくらいのペースで話したつもりでした。
英語を上達したいなら、「自分より上手い人とあたってラッキー」と思ってくれる人がもっと増えたら私のあの時の孤独感は薄れたと思います。
会話中に黙り込む生徒の多さに衝撃
自信がなくなると会話の途中でも、急に話すのをやめて黙る生徒が多いことに驚きました。
正確には黙っている訳ではなく、考え込んでしまっているだけなのですが、とにかくその回数が多い!長い!
3分のディスカッション中、2分間沈黙が続いた時はどうしようかと思いました。
沈黙が長すぎて会話にならなかったり、考え込みすぎて話題を変えても全く返事をしてくれないなど、会話として根本的に成り立たないことも多々ありました。

英語エリートの完璧主義が英会話下手にさせる
そこで一つ気付いたことがありました。
彼らはとても優秀。いつでも「英語が得意な〇〇さん」として生きてきました。
それが故、「間違えるのが恥ずかしい!」という思いが強すぎるような印象を持ちました。
間違えるくらいならたっぷり考えてから返事をしよう。
テストなら良いのですが、会話ではこれはNGです。
こちらが何か言うたびに2分も3分も黙ってしまう会話相手って嫌ですよね。
エリート人生を歩んできたが故、その完璧主義が足を引っ張り、会話下手にさせていたんです。
相手が黙ってしまって焦った野球の会話
会話の詳細については覚えていませんが、このようなカジュアルな会話をしていた時のこと。







授業なのでたっぷり考えてもらって良いのですか、この会話をプライベートでネイティブとすると「ん?無視されてる?」と焦る人もいるでしょう。
私の考察では黙ったしまった理由はこの3つのどれか。
- 2つ質問をしてしまったので、どちらを答えるか悩んでしまった
- 私が話すのが早かったか、聞き取れなかった
- 言っている意味がそもそも分からなかった
①は日本語の会話でもあると思うのですが、答えたい方を答えてくれれば良かったので、これが原因で黙ってしまったなら申し訳なかったです。
②③であれば「もう一回」と言ってくれれば言い回しを変えたりしますし、別に嫌な気持ちにはなりません。
こちらが何を話しても無反応なのは気まずいし、傷つきます・・・

多分逆の立場になれば、何を言っても返事が返ってこない悲しさが分かってもらえると思います。
アメリカ人は日本人と比べて沈黙を苦手とする人種
日本人は比較的、沈黙を辛いと感じない
日本では「人の話は最後まで聞きましょう」と教わりますよね。
テレビや動画でも良いのですが、アメリカ人同士の会話を見ていると感じるかもしれませんが、彼らはよく人の話を遮ります。
Aさんが話している途中でも、Bさんが遮って話し始めることは結構あります。
誰かが話の途中で詰まった場合は特に、「こういうこと?」「〇〇って言いたいの?」と沈黙を埋めるように相手がどんどん助け舟を出してくれます。
なので、途中まで言うだけで相手が補完してくれるのに慣れているし、「話を遮るなんて失礼だ!」とならないことの方が多いです。(もちろん時と場合によりますが)
「話を最後まで聞かれる」ことが辛い時もある
日本にきてたまに困るのが、この補完をせずに最後まで話すのを待ってくれる人が多いこと。
良い表現ができないから言葉に詰まってしまった時、いつまでも目を見て待ってくれるんですよね。





日本に来て、自分が無言で待たれる圧に弱いことに気づきました。
この会話だと伝わりにくいのですが、とにかく「遮らず最後まで待とうとする」その姿勢がプレッシャーに感じてしまうのです。
大抵のアメリカ人は会話が途切れると「こう言いたいのかな?」と、どんどん助け舟を出してくれます。
なので私も見切り発車でどんどん話し始めることが多いですし、相手が補完してくれることを前提で話す癖があることに気づきました。
沈黙を埋める為のパスが逆効果になる人
会話中、こうしたアメリカ人の性質に慣れておらず、「新しいこと言われた!まださっきの質問の答え考えてるのに!」とパニックになってしまう人には逆効果。

こういう人は落ち着いて考えれば分かるから、自分が納得できる文が思いつくまで考えてしまうのですが、相手はどんどん会話を進めようとするので、ラグが生まれてしまいます。
相手はあなたの先生ではない
間違えてはいけないという強迫概念を捨てる
英会話の先生ならお金を払っているので、いくら時間をかけてもじっくり待ってくれると思いますが、会社の取引先ならそういう訳にはいきません。
酷なようですが、時間は有限。
「もっと話ができる人に変えてくれ」と担当を変えられることでしょう。
相手からすれば、完璧な英語を求めているわけではないんです。
聞きたいことが聞ければそれで良いんです。
海外旅行先の店員さんも、あなたに英語で道を聞いてくる外国人もきっと同じ。
文法が間違ってても、多少ニュアンスが違っても「伝えること」が出来れば良いということを忘れなければ、必要以上に緊張せずにすみます。
そもそものゴールを間違えている人が多い
あなたは何のために英語を学んでいますか?
大抵の人はまず「話せるようになりたい」と英語を習い始め、手始めにTOEIC高得点を目指します。
私の妹はそこまでTOEICの点数が高いわけではありませんが、英語力はネイティブレベル。
幼稚園に入る前からアメリカにいるので、現地の友達は「日本人だけど英語しか話せないのだろう」と思っていたそうです。
TOEIC満点の人だって、外国人と話させてみたら妹に敵わない人の方も多いと思います。
何が言いたいかと言うと、ただ英語を話せるようになりたいなら、TOEICで高得点を目指すより、会話の経験値を積んだ方が良いということ。

口で話すことと紙に書くことは全くの別物
作家さんが話し上手とは限らないし、芸人が良い文章を書けるとも限らない
作家とお笑い芸人を比べてみましょう。
どちらも言葉を使って人を楽しませるプロですね。
でも、作家が全員明石家さんまさんと同じくらい話が上手かと言われればそうではないでしょうし、お笑い芸人が作家並みの小説を書けるわけではありません。
結局は、会話をすることと文章を読んだり書いたりすることは全くの別物。
結果、TOEICで高得点=流暢に話ができるにならないのです。
英語で上手に会話がしたいのなら
ある程度の知識習得後はアウトプットに移行しよう
英語を学ぶ目的が「海外の人と交流したい」「旅行先で話せたら便利」などの理由なら、TOEICの高得点は不要です。
体感ですが、5~600点あれば十分。次は実践に移りましょう。
- 英語を使った会話がしたいなら、分かりやすく伝えることに専念した方が効率的。難しい単語や言い回しを覚えるのはその後でOK
- 試験で悩んでやっと正解できるレベルの単語や言い回しは、実践では使いこなせない
- 英語力が足りないと感じるなら、すぐにできる非言語コミュニケーションで補おう
急にネイティブレベルの英語力は身につかなくても、身振り手振りや表情で「話していて楽い人」にはなれますよね。
会話は相手に好かれないと意味がないという根本を忘れないようにしてください。
「英語の上達」がゴールになっていませんか?
英語を上達した後何がしたかったかを見失わないでくださいね。
あなたにあった英語の勉強法が見つけられるかもしれません。
「英語を話したいんだ!」という方は、参考書を読むより英会話の実践を積みましょう。
英会話スクールは高額だし通うのが大変という方は、家でいつでもネイティブと会話できるオンライン英会話もチェックしてみましょう。

会話はキャッチボール。下手でもボールを投げ返そう
会話はキャッチボールと言いますが、本当にその通り。
何度も何度もフォーム確認されるよりは、下手でもボールを投げてくれた方が相手は喜びます。
何事も実践を積んで上手になるものですし、間違えを恐れる必要はありません。
野球が本当にうまい人は頑張ってボールを投げている人を決して笑いません。

その点、イッテキューの出川さんは素晴らしいですね。
あんなにデタラメな英語なのに、話しかけられた外国人も楽しそうにしてることが多いです。
いくらTOEIC満点の人でもなかなか真似はできません。
最後に、あなたのゴールを再確認しましょう
卒業や会社で必要なのか、自己満足の為なのか
例えば、「TOEIC900点以上取ればお給料が上がる」場合は完全なる投資になるので、高得点を目指して勉強する価値はあります。
翻訳・通訳などの転職を狙う場合も高得点が必須でしょう。
しかし、仕事でも簡単な英語しか使わない・旅行先で話せたら便利程度であれば、そんなに高い点数は必要ありません。
時間は有限です。あなたのゴールに最適な勉強法に切り替えましょう。
話す力を伸ばさず読み書きばかりだと、「TOEICの点は高いけど全然話せない」人になるかも
とにかく会話する機会を増やしましょう。実践あるのみです。
コロナ前ですが、私は英語を忘れないようワンコインの英会話サークルを何件か掛け持ちしていました。
夫のようにオンライン英会話を活用してもいいですし、英会話カフェに通ってみるのも良いですね。
お金をかけずにできることもたくさんあります。
探せば色々な方法があるので、もし興味のある方がいれば「日本で英会話ができる環境」をリストアップした記事も書こうと思います。
